家族信託活用事例 〜大切な人を守るための家族信託(2)親なき後の障がい者支援信託〜

『親なき後に一人残された障がい者の子どもの生活を保障したい』

ご家族構成/財産の内容

  • XY夫婦には、重い障がいのある長男Aがいます。
  • 長男Aは一人っ子のため、兄弟はいません。
  • 親戚Bは、長男Aのことをいつも気に掛けてくれ頼れる存在です。

ご要望/心配なこと

  • 夫婦が認知症になってしまっても、障がいのある長男Aの生活が保障されるようにしたい。
  • 夫婦が死亡したあとも、障がいのある長男Aの生活が保障されるようにしたい。

障がいのある子を持つ親にとって一番心配なのは、自分たちのなき後の子の生活です。「なき後」とは「死亡した後」という場面はもちろん、「認知症になってしまい子のために動くことが出来なくなった後」という場面も想定されます。

このようなケースの対応策として、夫婦が、親戚Bに対し、負担付き遺贈(長男Aの面倒を看る代わりに一部の財産をBにあげるという内容)の遺言を書く方法があります。財産を一部あげることにより、夫婦の亡き後も親戚Bの支援も期待できますが、あげた分だけ財産は目減りしてしまいます。少しでも多くの財産を子に遺したいというのが親心なのではないでしょうか

一方で夫婦の財産をすべて長男に残すと、(障がい者である長男Aは遺言を書くことができないため、)夫婦の財産は、長男Aに集約されますが、長男Aが亡くなると残った財産は国庫に帰属してしまうという問題もあります。

信託の仕組みを活用することにより、民法上の遺言では実現できない親の希望を反映させた財産管理・財産承継の道筋を作ることができます。

解決策=家族信託の活用

  • XY夫婦と親戚Bとの間で信託契約を締結します。
  • 委託者:XとY
    受託者:従兄弟B
    受益者:XとY→(XY死亡後)長男A
  • 終了事由:長男Aの死亡により終了
  • 長男が死亡した場合の財産の帰属先:親戚B
  • 親戚Bが適正に財産を使用するかチェックするため、信託監督人として司法書士を選任する。

ポイント解説

  • 信託契約によりXY夫婦の財産を親戚Bが管理し、長男Aの生活・療養に必要な資金を支払います。
  • XY夫婦が認知症になっても、親戚Bが財産を管理していますので、長男Aの生活費の給付が滞ることがありません。
  • XY夫婦が亡くなっても、親戚Bが財産を管理していますので、長男Aの生活費の給付が滞ることがありません。
  • 長男Aが亡くなると信託は終了し、夫婦の財産は親戚Bに承継されます。《遺言の代替機能》
  • 信託監督人が親戚Bを監督するので、親戚Bによる適正な財産管理が実現します。
    注)このケースにおいては、「後見制度」の併用も視野に入れ、長男の身上看護面をフォローする必要があります。

アクセスマップ

  • 〒251-0052 神奈川県藤沢市藤沢973 相模プラザ第3ビル 2-B
  • 藤沢駅(JR、小田急、江ノ島電鉄)北口から徒歩5分

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