家族信託活用事例 〜生前の遺産分割実現のための家族信託〜
『父の生前に、家族間で将来の遺産の分け方について合意したので確実な形にしたい』
ご家族構成/財産の内容
- 父親Xさんは、足が悪く、日常生活に介助が必要なため、同居している長女A家族に負担をかけています。
- 長男Bは海外出張も多く、遠方に住んでいるため頼ることはほとんどできません。
ご要望/心配なこと
- 将来父親Xさんが亡くなったときの財産の分配を、長女A一家の介護負担を考慮して、長女Aに多くしたい。この点、家族全員納得しているので、その合意内容を有効な形で書面に残しておきたい
例えば、父親本人が生きているときに、将来発生する父の相続の遺産分けについて推定相続人全員が合意し、それを文書にしても法律上は無効です。(生前の遺産分割協議は無効)
この場合、父親本人に合意内容を反映した遺言書を作成してもらうことで、家族の合意を形にしているケースはあります。しかし、遺言はいつでも書き換え・撤回ができますので、将来の遺産分割が確定したとはいえません。
そこで、信託を利用することで、実質的に生前の遺産分割協議を有効に確定させることが可能となります。
解決策=家族信託の活用
- 父親と長女との間で信託契約を締結します。
- 委託者:父親X
受託者:長女A
受益者:X - 終了事由:Xの死亡により終了
- 父が死亡した場合の財産の帰属先:家族間で生前合意した内容を反映
- その他:信託契約の内容を変更できない旨定める
ポイント解説
- 信託契約により父の財産を長女が管理し、父のために必要な支出や処分をすることができるようにします《生前の財産管理機能》
- 父が亡くなると信託は終了し、父の財産は契約にて定めたとおり(家族間での生前合意した内容にて)財産が承継されます《遺言の代替機能》
- この信託契約の変更や解除に一定の制限を加え、父親一人の判断では内容の変更ができないように定めることにより、将来の遺産分割内容を確定させることができます《生前の遺産分割を形にする》。
- 長女Aさんもこのように形にしてもらうことにより不安なく介護することができます。
アクセスマップ
- 〒251-0052 神奈川県藤沢市藤沢973 相模プラザ第3ビル 2-B
- 藤沢駅(JR、小田急、江ノ島電鉄)北口から徒歩5分